今日では東京下町イメージの代表格とも言うべき、文京区〜台東区を跨ぐ谷根千(谷中・根津・千駄木)エリアから、2016年5月、阿佐ヶ谷に移転してきました。
偶然、この地に空き物件を見つけただけと、阿佐ヶ谷にした営業上の特別な理由はないのですが、個人的に思い入れのある場所で、契約が決まった時は、何やら縁のようなものを感じずにはいられませんでした。

弊店の近くには数年前まで、阿佐ヶ谷住宅という団地群がありました。

阿佐ヶ谷住宅3

再開発により、現在はプラウドシティ阿佐ヶ谷【公式サイト】というマンションが建っている場所です。この文章を書いている段階でもまだ一部は建設途中です。
この場所にあった阿佐ヶ谷住宅。団地というよりは2階建ての洋風長屋が連なるテラスハウスといった建物で、周囲を木々で覆われた、庭つきのモダンなアパートメントハウス群でした。

阿佐ヶ谷住宅1

建物のデザイン性、生活スタイル、そこから醸し出される敷地内全体に漂う空気感。住民は元より、建築好きの間でも広く知られ、多くのファンに愛された空間でした【参照:阿佐ヶ谷住宅日記】

善福寺川2

近くを流れる善福寺川。春ともなれば桜の名所として沿道は沢山の花見客で溢れますが、花見以外でも紅葉の時期、冬木立の散策を兼ねては、阿佐ヶ谷住宅を見に幾度も訪れました。

阿佐ヶ谷住宅5

余りに魅了されたため、私自身、店を営む傍ら、町の散策やその中で出会った町中華等の大衆食の食べ歩きを綴ったブログやミニコミ誌を作っているのですが、その中で、阿佐ヶ谷住宅をメインに幾つかの団地とその周辺の散策・食べ歩きを特集しました【デウスエクスマキな食堂11年冬号:団地団地レボリューション!】

阿佐ヶ谷住宅4

色々な街角を巡った中でも特に思い入れがあっただけに、取り壊しは残念でないといえば嘘になりますが、失くなってしまったものは仕方ありません。しかし折角、こうして阿佐ヶ谷住宅の近くに移転してきたのですから、せめて名前だけでも…との想いで、嘗ての店名に阿佐ヶ谷住宅の名を付けてみました。

阿佐ヶ谷住宅6

住宅といっても住んではいませんが――ケーキが焼ける珈琲好きの友人宅に呼ばれ、庭から指す午后の陽を感じながら、うたた寝がてら読書や書物でゆっくり丁寧に過ごす時間――をコンセプトに、新たな店づくりをしてみました。

店内1

※店主の町歩きブログにもっと阿佐ヶ谷住宅の写真をUPしました。
 →昭和迷宮物件|vol.69 テラスハウスがあった空間の記憶〜阿佐ヶ谷住宅